Skip to main content
導入事例

海外展開 SaaS の知的な飛躍—Eccang は Qoder + QoderWork で研究開発と運用をどう再構築したか

Eccang は Qoder で技術チームと非技術チームの境界を越え、全員を『ツール利用者』から『Agent 管理者』へ進化させました。

数万の越境 EC 事業者を支援するトップ3の SaaS 企業。中核業務は20以上の工程にまたがり、複数国の税法と為替レートへ対応します。その企業が今年、同業他社を驚かせる決断をしました。Qoder を導入し、最初から月1,500席を契約して、研究開発部門と非研究開発部門の全従業員を対象にしたのです。 衝動的な購入ではありません。「AI は選択問題ではなく、必須問題である」という Eccang Technology の考えを具体化したものです。 Eccang Technology と Alibaba Cloud の共同ライブ配信「Eccang × Qoder:AI で海外展開を強化」

越境 EC ビジネスは想像以上に複雑

Eccang がこれほど大きな決断をした理由を理解するには、その事業の難しさを知る必要があります。 Eccang の2つの製品、ERP と WMS は、販売者が中国から世界へ商品を届けるまでの全工程を支えます。中国から米国へ1つの荷物を送るだけでも、重要な工程が20以上あります。各工程に課題があります。国ごとに税法、為替レート、時差、プラットフォームポリシーが異なり、Amazon、eBay、独立サイトの規則は互換性がありません。経営者、運用、財務、サプライチェーン、海外倉庫の責任者など、役割間の協調も複雑です。SKU 管理、国際財務集計、リアルタイムの倉庫配車も欠かせません。 Eccang の CMO、Gong Zhihao はこう説明します。「以前、販売者は情報格差で利益を得ていました。現在はブランドの海外展開、コンプライアンス、利益が必要です。以前のシステムは帳簿でしたが、現在必要なのはレーダーと頭脳です。」 販売者は、より速く、正確で、少ない人員で、しかも安定したサービスを求めます。この要件が研究開発へ与える圧力は明らかです。 そこで次の問いが生まれます。

200人の研究開発チームは大量の要件へどう対応するか

Eccang の Technology VP、Mo Mingyi は、人員を増やす方法を選びませんでした。 今年初め、製品ラインと技術エンジニアリングに基づいて研究開発チーム全体を再編し、AI Coding に適した、より細かな協調単位へ分割しました。つまり、要件からデリバリーまでのチェーン全体を「人間と AI の協働」を中心に再設計したのです。 以前は、プロダクトマネージャーが文書を書き、UI がデザインし、フロントエンドとバックエンドが開発し、テストが受け入れ確認を行いました。チェーンが長く、各段階で情報が失われ、伝達するたびに内容が薄くなりました。 現在はまったく異なります。要件は文書フェーズから AI と対話し、文書を AI が理解しやすい Markdown 形式へ変えました。プロダクトマネージャーは工程を前倒しし、自分で Demo をすばやく作って検証できます。さらに重要なのは、フロントエンドとバックエンドのコードを一緒に作成できることです。AI がプロジェクト構造全体を理解するため、両者のコミュニケーションは1つの API 文書だけに依存しません。 Mo Mingyi が感じた最も大きな変化は、中級エンジニアが複雑なシステムを独立して設計できるようになったこと です。以前は上級アーキテクトしかできなかった仕事を、中級メンバーも Qoder を使って完了できます。本人のプロジェクトでも、2人を採用する予定だった新規開発を、1人が Qoder で完成させ、短期間でリリースしました。

Qoder を選んだ4つの理由

市場には多くの AI プログラミングツールがあります。Eccang が Qoder を選んだ理由について、Mo Mingyi は実務的に答えました。 第1の理由は、ツールチェーンが完全であることです。 文書管理から研究開発の全工程まで、Qoder には Experts モード、カスタム Agent、Skills のパッケージ化が組み込まれています。これは追加機能ではなく、個人の能力を組織能力へ変えるインフラストラクチャです。数人のプログラマーが個別に AI で効率を上げるのではなく、チーム全体が同じツールと同じ言語で協働できます。 第2の理由は安定性です。 組織の効率を高めるツールにとって、安定性は必須要件です。Qoder は信頼でき、企業が長期利用できます。Mo Mingyi は「これは個人の行動ではなく、組織の効率向上ツールです」と明確に述べました。 第3の理由は、コードから文書を生成する能力です。 Repo Wiki はワンクリックで、既存プロジェクトのコードロジックを標準文書へ整理します。Eccang は創業13年で、アーキテクチャを何度も更新してきました。文書も毎年更新していましたが、どこまで最新かは明確ではありません。現在は AI がコードから直接生成し、既存プロジェクトを徹底的に「健康診断」できます。 第4の理由はチーム管理です。 管理画面で、各従業員の消費量、利用率、言語の好み、チーム効率指標を確認し、必要に応じて Token を割り当てられます。管理が見えない箱ではなくなりました。 選定後、実際の効果はどうだったのでしょうか。

Eccang における Qoder の4つの実例

Mo Mingyi は最近の事例を紹介しました。 開発人員の削減:2人を採用する予定だったプロジェクトを、1人が Qoder で完成させ、すでにリリースしました。概念実証ではなく、実際の製品です。 物流ページの再構築:プロダクトマネージャーが物流見積ページを複雑だと感じて変更したい場合、以前は技術チームとのやり取りが長く、結果も予測しにくいものでした。現在は製品担当者が自分で画面操作を完成させ、AI を接続して検証し、「実現できるか」をすばやく判断できます。技術チームのスケジュール回答を待つ必要がありません。 社内 CRM の導入:10日間で開発し、翌週に全社導入しました。以前、このような社内要件は常に顧客向け業務の後回しとなり、外部製品を買えば費用がかかりました。Qoder により軽量に実現でき、実施の可否は資源ではなく優先度の問題になりました。 デリバリーモデルの変化:「コードを書く」から「要件を定義し、出力をレビューする」へ変わりました。Mo Mingyi は「書き終われば完了です」と表現します。開発者は構文の細部ではなく、業務ロジックの正しさとアーキテクチャ設計の妥当性に集中します。 ここで多くの企業が、より基本的な疑問を持ちます。

Qoder はエンタープライズセキュリティをどう確保するか

越境 ERP は財務、在庫、注文を扱うため、データセキュリティが最低限の条件です。Alibaba Cloud の Senior AI Business Manager、Deng Zhanzhao は3つの側面から説明しました。 まず環境分離です。Qoder と QoderWork はローカル PC のサンドボックス環境で動作し、コードの操作、生成、実行時にデータがマシン外へ漏れません。 次に権限制御です。細かな権限制御によって中核モジュールを保護し、役割ごとに異なるレベルへアクセスします。注文精算ロジックを変更する場合、Qoder はこのモジュールに依存するほかのモジュールを先に分析し、影響を通知します。開発者は変更の波及範囲をすぐに把握できます。 さらに生成物の検証です。生成したコードはセキュリティ分析、脆弱性スキャン、依存関係の競合検査を経てから保存します。テストケースも自動生成し、防御的プログラミングを支援します。 最後に、人間と AI が協働して受け入れ確認を行います。AI の成果物を開発者がレビューして判断し、人間は実行者から意思決定者へ役割を高めます。

研究開発だけではない:非技術チームの「技術の民主化」

月1,500席はプログラマーだけのものではありません。Eccang のマーケティング、運用、カスタマーサービスも QoderWork を利用しています。 Gong Zhihao は自身の体験を紹介しました。以前、製品 PPT を1ページ作るのに1〜2日必要でしたが、現在は15〜30分です。発表会レベルの PPT も半日以内に生成できます。粗雑なものではなく、美的感覚があり、説明が正確なら、そのまま使える成果物が得られます。 Web サイト構築の変化はさらに大きいものでした。以前、マーケティング部門は技術チームへ要件を提出し、顧客要件が優先されるため常に後回しでした。現在 Gong Zhihao は QoderWork を使い、古い Web サイトを AI に分析させ、8項目の診断結果を得ました。さらに再設計させたプロトタイプを、そのままチーム会議で使用しました。「Credits の消費が少し速いので追加できないか」と Mo Mingyi に冗談を言ったほどです。ページの80%を AI が構築していたからです。 カスタマーサービスも変化しています。カスタマー運用チームは、よく使う手順を Skill としてパッケージ化し、物流照合や苦情処理を AI のフローで直接実行します。技術チームのスケジュールを待つ必要はありません。Gong Zhihao は、Amazon の人気商品から 1688 の工場を探す Skill も販売者向けに作りました。結果を見た販売者は「編集したものですか」と尋ねましたが、編集なしで AI が直接その品質を出しました。 Gong Zhihao は 「文系の人にも生産力が与えられた。以前は理系だけの権利でしたが、今は全員が持っています」 とまとめました。 この「技術の民主化」は社内だけでなく、Eccang の顧客向け製品にも表れています。

Mado AI:Qoder の方法で AI 製品を作る

今年リリースした Mado AI は、既存 ERP に機能を追加したものではなく、AI ネイティブな方法でゼロから再構築しました。 この判断にも背景があります。当時、既存システムへ AI 機能を追加する案と、AI の方法で作り直す案があり、Eccang は後者を選びました。AI ネイティブでなければ、AI の価値連鎖に従えないためです。 プロジェクトチームを新しく編成し、ツールチェーン、Skill 管理、シナリオ設定、Agent の公開をすべて Qoder プラットフォーム上で完了しました。デリバリー方法も根本的に変わりました。以前は大量のコードと手動設定が必要でしたが、現在は顧客要件を理解し、Skill を作成し、シナリオを設定して直接公開します。プロダクトマネージャーの役割も、画面を描くことから、業務シナリオを発見し、技術言語へ変換し、バックエンドで Skill を開発して直接公開することへ変わりました。 結果は明確です。Mado AI の週間・月間アクティブユーザーは2倍になり、顧客は利用するだけでなく料金も支払っています。計算資源の消費量は予想を超えました。 Gong Zhihao は「Mado AI を使うことは、最初から70〜80点の運用責任者がいることに相当します」と例えます。特に地方都市の越境 EC 事業者は優秀な運用責任者を採用しにくいため、これは本当の技術の民主化です。 製品が変われば、組織も変わる必要があります。

組織はどう進化するか:3つの道筋

人材モデル:専門家 → ジェネラリスト + 専門家

初級エンジニアは Qoder で業務理解を補い、中級エンジニアは複雑なシステムを設計できます。複数言語の利用も標準になります。Mo Mingyi は、今年すべてのメンバーに最低1つ別の言語を扱うことを要求しました。Java を書く人も Python を使える必要があります。「できないなら理由を説明する必要がありますが、合理的な理由はほとんどありません。」2年前には不可能に近い要求でしたが、現在は Qoder が環境エラー、フレームワーク選定、コード作成を支援します。

組織構造:ピラミッド → ネットワーク型の協働

職種の境界が曖昧になりました。プロダクトマネージャーが Demo を作り、テストは AI で加速し、マーケティング部門が自分で Web サイトを作ります。全員が工程を「左へ移動」させ、チェーンは一方向の伝達から融合した協働へ変わりました。Mo Mingyi は、良いツールを使っていなければチームの弱点になると例えます。努力不足ではなく、ほかの人が加速する間に同じ場所を走っているためです。

価値配分:作業時間 → 価値創造

評価は要件の納品数ではなく、「AI で作った機能が顧客の期待へすばやく到達したか」を見ます。インセンティブも変わりました。ハッカソンを業務シナリオの起業コンテストへ変更し、6か月連続で毎月 AI の共有会を開き、効率改善施策では要件デリバリーのロジックと AI 利用だけを評価しました。価値配分は労働集約型から知識集約型へ移行しています。

導入を迷っている企業への提案

Mo Mingyi と Gong Zhihao は、技術と運用の視点から、実践で得た次の提案を示しました。 経営トップが推進するプロジェクトにする:個人の関心だけに頼らず、トップが推進して初めて AI は実際に定着します。Eccang は全員を認定し、1人1アカウントを提供して、まず使い始めました。 ● 小規模な新規プロジェクトから始める:リスクが低く成果を出しやすいため、自信を構築できます。最初から既存プロジェクト全体を一括で再構築しないでください。 ● AI が読める形で知識を蓄積する:以前の文書は人間向けでしたが、現在は AI 向けでもあります。同じツールと同じ言語を使い、蓄積形式も AI が理解しやすくします。 ● 「運転感覚」を育てる:免許を取るだけでは運転できません。積極的に使い、狭い道も試して初めて境界が分かります。Mo Mingyi は「運転しているうちに飛行機になり、航空路線を開くこともあるかもしれません」と述べました。 ● 期待を誤らない:AI は万能ではなく、2回試して失敗しただけで役に立たないとも言えません。Gong Zhihao は、AI が無料ですべてできると考える人と、2回試して諦める人という両極端を見ました。正しくは好奇心を保ち、小さな業務を1つ動かすことから始めます。 ● まず規約を作る:技術エンジニアリング部門が規約を作り、後続のメンバーが AI と対話する境界を修正できるようにします。5文字だけ指示して「できない」と言うなら、それは AI の問題ではありません。 ● 長期的に取り組む:継続的な取り組みであり、忍耐が必要です。戦略は揺るがず、戦術は柔軟にします。

結び

Eccang の事例は「AI が人間を置き換える」という話ではありません。Qoder を使って、組織が「ツール利用者」から「Agent 管理者」へ進化するプロセスです。 研究開発全体の AI Coding、非技術チームの「文系の生産力」、Mado AI の Agent ファクトリーモデルまで、Qoder はコード補完ツールではなく、組織の知識を明示し、能力を再利用可能にし、品質を検証可能にするエンジニアリング基盤として機能しています。
Qoder を使い始めると、10年以上コードを書いてきた人ほど、使うほど仕事が楽になります。— Mo Mingyi
製品概要
クイックスタート
アカウント